2017年は、「ソーシャルマネジメント・ラボ」と題して、6回に亘り学びの場を開きました。
この場では、葛藤に向き合いながらも組織・事業を成長させている経営者仲間をお招きし、安心安全な場だからこそ話せる悩みや葛藤からそれぞれの経営観・人生観まで、深い部分まで掘り下げてシェアしてもらいました。

その第一回目の登壇者は、(株)ソニックガーデン( https://www.sonicgarden.jp ) COOの藤原士朗さん。SMLの提唱する「経済的価値・社会的価値・組織の幸福価値」という経営における３つの環。藤原さんは迷わずに「組織の幸福価値」こそが他の２つよりも優先されるとおっしゃっていました。理想はそうであっても、概して営利組織では売上げ、非営利組織では社会的な存在価値への傾きは大きいのではないでしょうか。

参加いただいた皆さんの大半が感銘を受けた「ビジネスモデルが人間性をつくる」というメッセージに代表されるように、理念だけでなく、採用・育成・報酬・クライアントへの向き合い方までがしっかりとその哲学に貫かれた組織なのだと感じました。そしてそれを支え、築いてきたのが、まさに藤原さんです。

以下、藤原さんの事前インタビューも共にご覧ください！

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Social Management Lab_#1
話し手：(株)ソニックガーデンCOO 藤原士朗さんへの事前インタビュー

…社長の倉貫とは、前職からずっと一緒です。つまり、社会人生活をずっと共にしています。二人でソニックガーデンを立ち上げたのも、いわば自然な流れで。ソニックガーデンでの僕は、いわば”おかん”です。倉貫が外で発信し、僕が内を固めてきました。

昨年一年間、ソーシャルマネジメント・ラボに参加して、あらためて「社会的価値」「経済的価値」「組織の幸福価値」という3軸で自社を捉え直せました。この3軸に、あえて優先順位をつけるとすると…我々が最も大切にしているのは「組織の幸福価値」ですね。我々は「組織の幸福価値」を維持向上させた上で、「経済的価値」と「社会的 価値」を向上させる、そんなイメージでここまでやってきました。

それは、創業のキッカケにも通じています。特に社長の倉貫は、プログラマーがまるでロボットのようにあっちこっちに派遣されて潰されていく、そんな業界慣行に強い憤りがありました。
プログラマーってスゴいんですよ、ほんと。アーティスト、匠の職人に通じるものがあります。プログラミング/ソフトウェアは社会を変える、という信念が我々の中にあり、システム業界の課題を解決することを通じて、社会を変えたい、と思っています。
だから、”People First”を掲げていて、人がいないと案件を取らないし、今でも待っていただいている会社さんもいます。採用には半年くらいかけ、徹底的に拘っています。
そして、我々が良質なサービスを提供することで、今日の参加者の中にも何名かいらっしゃいますが、クライアントが社会を変える挑戦を後押ししています。

おかげさまで会社も倍々ゲームではないにせよ、順調に成長しています。
我々が創業当初から掲げている「納品のない受託開発」、つまり月額定額×顧問型でのシステム開発でサービスを提供しているのですが、顧客にとっては初期投資が少なく変化への対応 が可能で、社員にとっては圧倒的な裁量と期日までに無理しなくていい、という両得があります。このやり方が、リモートワークやフラットな組織を可能にし、売上目標を設けずに事業を成長させていける秘訣かもしれません。我々の社員の多くは地方在住です。

もちろん、僕はかなり頑張っています、この仕組みをワークさせるために。笑
我々の組織の作り方は、「現場での実態から制度にすること」で、プログラミング発想 で組織を作っています。倉貫と二人三脚でここまで丁寧に、丁寧に作ってきました。ポイントは、「苦手を共有する」というところ。得意・不得意がわかると、背中を預けることができます。そして、大切にしているのが”今世はあきらめる”。チャレンジはあるが無理し過ぎない、自分自身を大切にする、ということに繋がりますね。

…私にも原体験があり、15 歳の時に登校拒否になったんですね。その時に、母親が 徹底的に伴走し、応援してくれた。同時に、ずっと内省していました。僕もプログラミングやらせると結構スゴいんですが笑、”人”に興味関心があり過ぎて、今に至ります。 あくまで主役はプログラマー。僕は経営者として後ろで支えています。おかんのように。
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