【ブログ】何が、夜も眠れないほど世界の経営者を悩ませているのか…?~岡本拓也
岡本拓也です。
昨年末に海外出張した際、ハーバード・ビジネスレビュー(HBR)の英語版を購入しました。
日常的に英語の文献に触れているわけではないのですが、海外に行くと、謎にテンションが上がり、ついついこういう本に手が伸びます。笑
さて、今回のHBRのテーマは「What really keeps CEOs awake at night」でした。
つまり「経営者が夜も眠れないほどに頭を悩ませているのは何か?」というものです。
この特集には、Inditex(スペイン・ガリシア地方に本社を置くZARAで有名な世界一のアパレル会社)、Novo Nordisk(デンマークに本社を置くグローバル製薬会社)、WPP(ロンドンに本社を置く世界一の広告代理店グロープ)の各CEOが、対談形式で語っていました。
~何が、夜も眠れないほど世界の経営者を悩ませているのか…?~
皆さん、想像してみてほしいのですが、世界の一流企業の経営者が最も悩んでいることって、何だと思いますか?
利益?
売上?
短期的な業績圧力?
はたまた株主からのプレッシャー?
…その答えは、ずばり”人材”でした。
どの経営者も、自らの組織の人材をどうモチベートするか、組織のモメンタム(勢い)を高めるか、そして組織内の格差をどう埋めるか、というものが並び、特に若い世代、いわゆるミレニアル世代のモチベーションと組織への定着率は、大きな課題と感じているようです。
ソーシャルマネジメントの3つの価値でいうところの、「組織の幸福価値」ですね。
それがまさに、業績の向上に繋がり、株主からの期待に応えるものになるのだ、と。
一見、当たり前のようでもあり、「最も」悩んでいるものに人材・組織が挙がるのは、少し意外でもありました。
~世界的に、多様な働き方・生き方がテーマとなる時代に、組織はどう在るべきか~
日本でも、副業や兼業の議論が盛り上がって久しいですが、多様な生き方・働き方が広がる中で、まさに個人の生き方が問われると同時に、組織的にどう取り組むか、「組織の幸福価値」をどう取り組むか、がテーマになっているのが分かります。
もちろん、対談の経営者が率いる企業は、何より世界的なトップ企業として経済的価値を高めており、また社会的な存在意義を強く意識している会社であり、従業員満足度を高めることだけに注力しているわけではありません。
このバランスをどう取るか、グローバル市場を牽引する企業の経営者も同様の悩みを抱えており、その中で最も悩ましいテーマとして人材が挙がるのは、興味深いですね。
なお、今回のHBRで、世界の経営者を100位までランク付けしていまして、日本からは4名の起業家/経営者がノミネートされていました。
その4名とは、ソフトバンク孫さん、ファーストリテイリング柳井さん、日本電産 永森さん、そしてエーザイ内藤さんでした。
こういうところに日本人の経営者がノミネートされているのは、何だか誇らしいですね^^