【ブログ】事業貧乏と3つの環~松崎英吾
~JIFFの立ち上げ~
私は、特定非営利活動法人日本ブラインドサッカー協会(JBFA)以外にも、一般社団法人日本障がい者サッカー連盟(JIFF)という組織に携わっています。この組織は、障がい者サッカーとして活動している7つのサッカーと連携し、国や公益財団法人日本サッカー協会(JFA)等との窓口機能を担っています。
JIFF(「ジフ」と呼んでいます)の細かな事業内容などはここでは触れませんが、2016年4月1日の発足からまだ1年弱の中で、ほとんど自主事業を展開してません。それは私なりにJBFAでの経験から、どのように組織発足をしていくのか、再定義した部分があります。
~事業貧乏~
言葉を選ばずに言うと、NPO組織ほど、事業貧乏になりがちです。事業貧乏とは、裨益者に対してサービス(価値提供)しなければならない「社会的価値」に重きを置き過ぎ、「組織の幸福価値」につながるようにどのように事業と売上を設計していくかを後回しにしてしまうことです。「休みはないのに、売上が上がらない」「投下する労働力に比べて、人件費が高まらない」といった症状に現れると思います。
目の前の裨益者のために何かをすることはとても大事ですが、社会的価値としてインパクトを出していくためには、人材が「パワー」としてどれほど関わっていられるかも大事なことです。人がいれば出来ること、たくさんありますよね?
JIFFでは、その点(中期的には「組織の幸福価値」を高め「社会的価値」に太くつながると戦略を描いています)に留意して、初年度、7団体が集まることによるコレクティブインパクトを利用した資金調達に注力しました。その結果、事業を作らずに、初年度にしては良い着地を迎えることができそうです。(詳細はもう少し先に報告します)
JBFAでは、社会的価値の追求に重きを置き過ぎたと振り返っています。その結果、資金調達のあり方(経済的価値)が事業の適正規模や人件費・管理費の割合にマッチしきれない状態から、なかなか抜け出せないでいます。後悔ではないですが、事業の作り方、資金調達のあり方、まさにビジネスモデルそのものが、この3つの環のバランスに影響しているように思います。